雑学事典
お米、お餅を食べる機会を増やし、健康な食生活を送りましょう!
雑学事典・お米の話では、お米についての歴史や種類、保存方法など、お米を扱う上で知っておくとちょっと便利な情報をご紹介しています。
お米の歴史
お米(稲作)の起源は今から約7000~1万年前に遡り、インドあるいは中国あたりが発祥の地ではないかと推測されています。日本にお米が伝わったのは、2500年ほど前の縄文時代末期。以来、稲作に適した気候もあいまって、あっという間に日本全国に広がっていきました。日本に伝わるまでのルートは様々な説があり、まだまだ分からない点が多く残されています。米ひと粒に1万年の歴史あり…なんとも悠大でロマンを感じるお話ですね。
お米の産地と品種
コシヒカリ、ササニシキ、あきたこまちなど、日本産のお米はジャポニカ型と呼ばれ、世界的に見て「もっとも優れたお米である」といっても過言ではないでしょう。日本のほとんどの県でお米作りが行われ、それぞれに独自の品種改良を重ねて年々その品質は向上しています。中でも新潟・山形・秋田・岩手・宮城など、おもに北陸~東北産のお米は産出量・品質ともに日本の米作りをリードしています。あなたのふるさとでは、どんなお米を作っていますか?
無洗米ってなに?
無洗米とは「精米の過程で米ヌカを取り除いたお米」のこと。これにより「お米を研ぐ=米ヌカを洗い落とす」作業が不要になるというわけ。あらかじめ米ヌカが取り除かれているので、いわゆるヌカ臭さや黄ばみが発生しにくいのも魅力。無洗米人気のもう一つの理由は「環境にやさしい」ということ。お米の研ぎ洗いの際に排出される(とぎ汁に含まれる)米ヌカが、河川のヘドロや海の赤潮の一因となっていることをご存じでしたか? 無洗米なら研ぎ汁自体が出ないので環境を汚すこともありません。もちろん研ぎ洗い不要ということは、水道代の大幅な節約になるということも見逃せないメリットでしょう。
無農薬米と減農薬米
無農薬米とは、生産過程において農薬を一切使わずに作られたお米のこと。減農薬米は必要最小限の農薬を使って生産されるお米。いずれも稲の生育上の様々な問題をクリアしなければならないため、たいへん難しい栽培方法であるといえるでしょう。その結果、生産量は少なく小売価格は若干高めとなりますが、根強いファンを中心に需要は増加傾向にあります。
有機栽培米
「土」にこだわり、有機肥料、つまり堆肥を使って育てられたお米が有機栽培米。その育成は土壌づくりからはじまり、お米の収穫までには農家の皆さんのたいへんな努力と研究の積み重ねがあります。大地の恵みを一身に受けたお米。そう考えるだけでも美味しさが伝わってきそうですね。
お米の貯蔵法
お米はナマモノ。当然、長期間放っておけば品質は低下してマズくなります。とはいえ、おおむね3ヵ月ぐらいはおいしく召し上がれますからご安心を。ただし真夏など室温が30℃を超える場合はお米の劣化も早くなります。たとえばひと月に10kg買っていた家庭なら、夏季は5kg入りを2回に分けて購入するようにすれば、いつでも新鮮なお米が食べられます。保管は「風通しがよく、涼しくて暗い」場所がベスト。お米は凍ってしまう心配がありませんから、小分けして冷凍・冷蔵庫で保管するのもよいでしょう。炊きあがったご飯もラップでくるんで冷凍庫へ入れておきましょう。電子レンジでチンするだけで、いつでも炊きたての美味しさがよみがえります。
お米のおいしい炊き方
「お米を研ぐ」ということは、文字通りお米の表面を覆うヌカを適度に研ぎ落とすことです。しかし最近では精米技術が発達しているため、ひと昔前のようにそれほど熱心に研ぐ必要はありません。もっとも大切なことは「手早く、やさしく」行うこと。「研ぐ」というより「洗う」という感覚がベスト。研ぎすぎるとお米が割れて、炊きあがりがベチャベチャの状態になってしまいます。お米を洗い終わったからといって、スグに炊飯器のスイッチを入れてはいけません。一粒一粒にじゅうぶんな水分をしみこませるため、30分~1時間ほど水につけておくようにしましょう。
雑学事典・お餅の話では、お餅についての歴史や種類、保存方法など、お餅を扱う上で知っておくとちょっと便利な情報をご紹介しています。
お餅の語源
餅・もち・モチ…。お餅はどうして「おもち」と呼ばれるのでしょう? じつは「これが正解」という語源に関する定説はないのですが、現在では二つの説が主流になっています。ひとつ目は「望月(満月)」になぞらえた円形の餅を、祭祀などの供え物にしたことから、望月(モチヅキ)のモチが餅になったという説。ふたつ目は、餅を表す台湾語「モアチイ」がなまってモチになったという説。ロマンを求めるなら望月説、現実的なら台湾語説。あなたはどちらを信じますか? ちなみに、「餅」とはあくまでも加工後の食材を表す言葉。材料となるお米は「糯米(モチゴメ)」と表記されます。この「糯」という文字を見ていると、“米”が杵に、“需”が臼に見えてきませんか?
お餅と行事
みなさんはお餅をいつ食べますか? ほとんどの方はお正月と答えるでしょう。実際、お餅の需要が年末年始に集中していることは事実ですが、他にもたとえばひな祭りの菱餅、端午の節句の柏餅、月見だんご、彼岸餅など、節目ごとの行事にはかならずお餅が登場します。また、お餅には「神霊が宿る」と信じられ、古来よりお供え物として利用されてきました。正月の鏡餅はその代表格でしょう。今では食べようと思えば一年中食べられるお餅。皆さんのご家庭でも、もっと気軽にお餅料理を楽しんでみてはいかがですか?
お餅とカビ
カビの生えたお餅、皆さんはどうしていますか? 「気にせず食べる」なんて方は少ないと思いますが、もちろん食べないほうが無難です。お餅に生えるカビは20種類以上。良性のカビもありますが、中にはちょっぴり悪さをするカビも…。「うちはカビの部分だけを削って食べる」という方、これもあまりおすすめできません。なぜなら、カビの菌糸は植物の根と同じように、お餅の内部にまで侵入している可能性があるからです。まあ、あまり神経質になることもありませんが、ご家庭ではなるべく早く食べきるようにして、余ったものはタッパなど空気に触れにくい容器に密閉し、冷蔵庫で保存されることをおすすめします。
お餅の栄養
お餅は見た目が純白であっさりとしているため、「栄養なんてほとんどないのでは?」と誤解されがち。ところがお餅には体の組織を形成するのに必要なタンパク質や、エネルギーを生み出す糖質がぎっしり。糖質といっても砂糖などに含まれるものとは異なり、体内で燃焼しやすいのが特長。消化吸収に優れ、素早くエネルギーに代わるお餅は、マラソン選手やスポーツ選手が試合前に食べる食事としても最適。パンやご飯よりもカロリーが少ないのも、あまり知られていませんが事実です。
お餅の保存法
お餅はそのまま放っておくとたちまちカビが生えてしまうデリケートな食べ物。しかしやり方次第では、ある程度の期間保存することができます。もっともポピュラーなのが、水を張った容器にお餅を入れておく方法。しかしこれは、お餅が水っぽくふやけてしまうのが難点。きれいな濡れぶきんでお餅を包んで冷蔵庫に入れておくのも有効です。日本酒や焼酎などをひとかけしておくと、殺菌効果が出てより長持ちします。いずれにしても早めに食べきるのが一番ですね。
お餅のおいしい調理法
焼く、煮る、揚げる、そのままガブリ…。どんな調理法にもぴったり合うのがお餅の魅力。お雑煮や焼き餅だけがお餅料理ではありません。たとえば一風変わった「お餅ピザ」なんていかが? 調理法はいたってカンタン! フライパンにお餅を並べ、適量の油で軽く焼きます。次にトマトソースをむらなくぬり、ベーコン、ピーマン、マッシュルームなどお好みの具をのせましょう。フタをして弱火で焼き、チーズがとろけたらできあがり。どうですか? カンタンでしょ。日本食だけでなく洋風料理にも使えるお餅。皆さんのオリジナル料理があればぜひ教えてください。